音響 第5回

第5回

反射と共鳴
今日のポイント
音叉による共鳴(共振)
実験5 ストローの笛
自由端反射・固定端反射
管(声道)の共鳴周波数
復習テスト
1.音叉による共鳴(共振)

物は全て固有振動数がある。
いろいろな物をたたいてみよう!
音叉を鳴らしてみよう!
音叉はある決まった周波数の音を出すことができる。
2個の同じ周波数の音叉を並べ、片方を鳴らしてみよう!
もう片方はどうなるか?
→共鳴(共振)する
また、たたいた方の音叉を止めると、もう片方の音叉(鳴らした方)
はどうなるか?
→鳴り続ける

【ポイント!】 固有振動数が同じだと共鳴(共振)する
2.実験5 ストローの笛(反射・共鳴)

ストロー笛を作ってみよう!

ストローの先、2センチくらいをリードのように切って笛を作ってみよう。

ストローの長さを切っていっていくと音の高さはどのように変化するか?

ストローの穴を塞ぐと音の高さはどのように変化するか?

【ストロー笛のしくみ】

1.空気を吹き込む

2 発音体(リード)が振動する

3 振動が管内を伝わる

4 振動が反射して管内を逆進する

5 反射した振動と発音体が影響しあって、安定した振動(音)をつくる(定常波という)

  ※ 管の開いた部分は、必ず(音、振動、定常波の)腹になる
  ※ 閉じた部分は、必ず節になる

(福地孝宏さんのHPから引用させていただきました)


この実験で分かったことは。。。

【ここがポイント!】

笛の長さが長い→共鳴する波の波長が長くなる→音が低くなる

笛の長さが短い→共鳴する波の波長が短くなる→音が高くなる


人の声道についても同じようなことが言える!

ということは。。。どんな可能性が考えられるだろうか?

考えてみよう!

3.自由端反射・固定端反射

【ここがポイント!】
定常波(おいもさん)再び登場!
自由端反射 腹
自由端 自由端
固定端反射 節
固定端 固定端
【覚えよう!】
自由端は開いている方、固定端は閉じている方

口唇側(自由端)と声帯側(固定端)と考えよう

自由端は波の「腹」、固定端は波の「節」がくる

(逆に考えるとめんどくさくなるのでこれでいこう!)

のりさんのパソコン物理(加藤徳善さん作成)
  物理の授業用 電子黒板で使えるJAVAアプレット
  波の反射(正弦波)

4.管(声道)の共鳴周波数

【ここがポイント!】

片方が自由端、もう片方が固定端の管では、以下の周波数の波が共鳴する

たしか、1波長でおいもさん2つだったよね。
自由端 腹 固定端
おいもさん(笑)
口側 節/声帯側 →第1フォルマント 半分
1/4波長の波が共振
→第2フォルマント 1個半
3/4波長の波が共振
→第3フォルマント 2個半
5/4波長の波が共振

7/4波長の波が共振
9/4波長の波が共振
と続きます
共鳴周波数を計算してみよう!(とっても重要!)
これを人の声道にあてはめて、管の長さを17cm(男性の平均声道長)
としてそれぞれの共鳴周波数を計算してみよう!

16cm(つまりちょっと声道長が短くなったら)だったらどうなる?


17cm
第1フォルマント______________Hz
第2フォルマント______________Hz
第3フォルマント______________Hz

16cm
第1フォルマント______________Hz
第2フォルマント______________Hz
第3フォルマント______________Hz

【ヒント!】
まず1波長の長さを計算し、
次に、340mの中に何回繰り返しがあるかを計算しよう!


それぞれの値は母音[ə]のフォルマント周波数に近くなります。

管の長さが変わると、おいもさんの数は変わらないけど、おいもさんの長さが変わる!

→よって、声道長によって共鳴周波数が変わる!

男性と女性では声道長は同じ?
ところで。。。

「フォルマント」ってなあに?
くわしくは次回からの授業で扱います。(今日はだいたいでOK!)
簡単にいうと、
まず、声帯振動によって音源が作られます。
(こんな感じ→)

次に、声道の形を変えることによって音源のうちで、共鳴する(強められる)周波数が変わってきます。
(緑の部分、これがフォルマントです)

「人はフォルマントの違いによって母音を聞き分けている」と言われてます。


【ちょっと国試に挑戦】
第5回午前78
声門が閉じ唇が開いている長さ17cmの一様な声道の共鳴周波数で
正しいのはどれか。
1.第1、第2共鳴周波数とも1kHz以下に低下する。
2.第1共鳴周波数は300Hz以下、第2共鳴周波数は2kHz以上になる。
3.第1共鳴周波数は約500Hzで、その奇数倍の共鳴周波数を持つ。
4.第1共鳴周波数は約1kHzで、その偶数倍の共鳴周波数を持つ。
5.第1、第2共鳴周波数とも1kHz以上になる。
第8回午前79
中性母音の声道内定在波で誤っているのはどれか。
1.F1の音圧の腹は声門にできる。
2.F1の音圧の節は唇にできる。
3.F2の音圧の腹は2ケ所にできる。
4.F2の音圧の節は声門と唇にできる。
5.F2の周波数はF1の約3倍になる。
第13回午前39
第2ホルマント周波数が1500Hzの成人女性の母音[ɯ]の声道形状を変えないで、
声道長だけ一様に20%長くした場合の第2ホルマント周波数はどれか。
a. 1000Hz
b. 1250Hz
c. 1500Hz
d. 1750Hz
e. 1800Hz
全部できたかな?

5.復習テスト

それでは、まとめのテストです!
名前

メールアドレス

学籍番号

1.長い管はどんな音が出る?
高い音 低い音

2.固有周波数が同じ音叉の片方を鳴らすともう片方の音叉が。。。
音が高くなる 共鳴する

3.開管の端には波のどの部分がくるか?
腹 節

4..17cmの片方の閉じた管の一番低い共鳴周波数は?
約250Hz 約500Hz約700Hz

5.今日の授業の進度はどうでしたか?
もっと速くてもいい ちょうどいい速すぎた

6.授業への希望・今後、扱って欲しい内容など